2011年02月23日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマト total 2463 count

おいらの人生はSPACE BATTLESHIP ヤマトのためにあった

Written By: トーノZERO連絡先

「映画館でGANTZを見たときのことだ」

「うん」

「SFXがやはり凄い。輪切りの人体が消えていくところとかね」

「そうか」

「本当にもうアニメの時代が終わったことが実感できる」

「昔ならアニメじゃないと描けない映像ってことだね」

「それはさておき」

「うん」

「エンディングでこの曲は聴いたことがある曲と似てると思った」

「何と似ていたんだい?」

「川井憲次風」

「へえ」

「でも、すぐに考えを改めた」

「なぜ?」

「エンディングテロップに音楽川井憲次という名前を見て納得した」

「本人じゃん。風じゃないじゃん。本人なら似通って当たり前じゃん」

「もっと具体的に言えば、Avalonのエンディングに似ているノリの曲だった」

「Avalonか。既にアニメ的な手法で実写映画が作れる証明となっていた映画だね」

「そこで思ったのだが、明らかにAvalonからGANTZへと流れる時代の流れというものがある」

「そうか」

「しかし、それだけではない」

「なに?」

「その流れの中にSPACE BATTLESHIP ヤマトもすっぽり収まるのだ」

「なんと」

「更に逆算していくと個人的に凄いことが分かってきた」

「それはなんだい?」

映画の個人史 §

「DVD時代に入って、特にこだわってコレクターズボックスを買った映画が3本ある」

「なんだい?」

「緯度ゼロ大作戦、FINAL FANTASY、Avalonだ」

「みんな傾向が違うね」

「緯度ゼロはLD時代にリリースされなかったのでDVD時代にずれこんだだけ。残りは2つ」

「FINAL FANTASYはフルCG映画の先駆的作品だろ? でも、Avalonは実際の俳優で傾向が違うじゃ無いか」

「しかし、1本の歴史の流れに当てはめると全部収まるのだ」

「ええっ?」

「全てアニメのヤマトからSPACE BATTLESHIP ヤマトに至る流れの中に位置づけられる」

「そこまで言える?」

「うん。言える」

「説明してよ」

「FINAL FANTASYという映画は、この路線が不毛であることを証明してしまった」

「夢は大きかったけどね」

「全てを手作業で作り込むとなると、どうしても世界が小さくなってしまう。実際、この映画の世界も小さい」

「そうか。だから、コンピュータだけで全てを描こうとせず、現実の生身の俳優やロケ地で解決できるものは解決した方がいいわけだね」

「そうだ。そして、それを実践してみせたのがAvalonということだ」

「つまり、FINAL FANTASYがホップ、Avalonがステップ、SPACE BATTLESHIP ヤマトがジャンプというわけだね」

「逆に言えばSPACE BATTLESHIP ヤマトを心ゆくまでゆったりと受け入れて楽しむためにこそ、FFやAvalonにこだわっていたとも言えるのだ」

「ははは。ヤマト中心の個人史観だ」

「逆に言えばFFもAvalonも真面目に向き合うことも無かった自称マニアに対応できる世界では無い、とも言える」

「アニメに安住してるだけではダメだってことだね」

「逆に言えば実写のドラマを普通に見ている非マニアの普通人の方がすっとSPACE BATTLESHIP ヤマトに入れるかも知れない」

「そういう人の方がVFXの世界にも既に慣れっこということだね」

「3次の女はダメだとか、そんな妄言をほざいておる自称マニアは実際にはVFX時代の落ちこぼれになっていたわけだ」

「君はどうなんだい?」

「Avalonとイノセンスを視聴態度で区別しないで見ていたからな。アニメとVFXの境界はもう無かったし、いつでも越境できる準備はできていた」

「越境というか帰還だね」

「より正確に言えば、この越境は実際には2回目なんだ」

「というと?」

「謎の円盤UFOで、人形から人間へと越境を既に経験済みだからな」

「今回も同じってことだね」

「だから、ほとんど意識しないでスムーズに行けたけど、行けない人も多いみたいだな」

「そうだね」

「地球をなめるなよ、宇宙戦艦ヤマトをなめるなよ、5年3組魔法組見てたガキをなめるなよ。生身の俳優どんと来い。というか最初から生身の俳優当たり前だからだ」

「むしろ、アニメの方が特別だったわけだね」

「そうだ。実写は基本。アニメが特別」

「アニメは珍味ってことだね」

「そうだ。アニメは珍味だから見過ぎると飽きる。実写は家庭料理だから飽きない」

オマケ §

「実写好き好きってことだね」

「そうだ。だから魔女だろうと先生だろうとおいらの心は曲げられない」

「つまり、好き!すき!!魔女先生見てたガキをなめるなよと……」

「すき、すき、すきすきー。あっこちゃーん、あっこちゃーん、すきすき」

「分かった分かった。君はとっても隙だらけ」

オマケの惑星沈没 §

「だからさ。ヤマトのリアルタイムの感覚でいうと、裏番組の猿の軍団が気になったのよ。そして、ヤマトが終わると実写ドラマの日本沈没を違和感なく見てたのよ」

「そういう時代だったわけだね」

「ハイジはあまり気にならなかったけどね。まだ良く分かってなかったから」

オマケ7 §

「ウルトラセブン世代をなめるなよ」

「って、昔言ってたね」

「そうさ。セブン世代だもん」

「どれぐらいセブン好き?」

「と言われてもなあ。TDF-UH1は大好きだけど……」

「じゃあ、何かセブンのうんちく語れる?」

「確かね。セブンが鏡の世界に入る時の波打つ表現、モノクロ時代の映画のオルフェっていう映画にそっくりなんだ」

「変なことにまたこだわってる」

「鏡の世界を通り抜け~♪」

「それはミラーマン」

「いずれにしても実写ヒーローじゃ」

「そうか」

「でも分かった。コスモゼロのような銀色ピカピカメカでOKって感覚は、TDF-UH1譲りなんだ」

「だからなんだよそれは」

「ウルトラホーク1号だよ」

「分かるか!」

「え、常識だろ? さすがにTDF-HR1でハイドランジャーは難しいと思ったけど」

「どっちも無理。TDF-PO1とかわかんねーよ」

オマケagain §

「ハッと気付いた」

「なに?」

「このGANTZって映画が好きになる決定的な理由があと2つある」

「なんだい?」

「まず第1に主人公は巨大ロボに乗らない」

「そうか。ロボは肝心な見せ場で主人公を隠す悪者ってことだね」

「そうだ。見ている側は主人公に感情移入するのに隠したらダメだろ」

「確かにそうだね」

「ヤマトもまさに巨大ロボに乗らないから好きなのだ」

「もう1つは?」

「スーツの性能が分からず試しながら使いこなしていくのはアメリカンヒーローなんだよ」

「えっ?」

「好きだったんだ。The Gratest American Hero」

「胸に輝く中の文字を見よ」

「通称、チュンパーマン」

「顔が見えるヒーローっていうのも同じだね」

「ちなみに、手に入れた未知の力を試しながら使いこなしていくのはヤマトも同じといえる」

「そうか。波動エンジンや波動砲を試しながら飛ぶのも構造としては同じだってことだね」

「しかも顔を隠したりはしない」

「そうか」

「ちなみに、昔ロボコンも好きだったんだ。ロボコンの影響がある作品という要素もあるが、まあそれはさておき」

「置いちゃうのか」

「あ、ちなみにガソリンロボコンの方だからね」

オマケAC §

「ここでいうFINAL FANTASYはFINAL FANTASY VII ADVENT CHILDRENのことじゃないから気をつけろよ」

「その前にあった映画だよね」

「まあ、FF7ACでも世界が小さいのは同じだけどな。シナリオが上手いから気にならないだけで」

「旧FFは違うの?」

「シナリオが下手だから必要以上に気になるぞ」

「大御所じゃないの?」

「間違った方向に救済しようとして結果としてグダグダになったのだろう。本人の優秀さとは関係無い」

「道を間違えたらどんなに優秀な足があっても目的地には行けないわけだね」

「その点でTOY STORYは道を間違えなかった。3DCGなんて、という偏見満載の客が見に行って感動に泣いて帰ってきた事例はけっこう多い」

「そうか」

「同じような意味で、SPACE BATTLESHIP ヤマトも道を間違えなかった。そこは評価したい」

「だから客が入るわけだね」

宇宙戦艦ヤマト

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